2012年03月
2012年03月25日
労働者派遣法改正の行方〜衆議院可決の労働者派遣法改正案の附帯決議について
労働者派遣法改正案(修正案)が衆議院で可決されたことは既に御承知のことと思います。
さて、今回取り上げたのその時の附帯決議について少し解説したいと思います。
附帯決議は、7事項ありますが、趣旨を分かり易い言葉に直して概要を説明します。
1、登録型派遣、製造業派遣及び特定派遣の在り方について今回の改正案施行後一年経過後をめどに労働政策審議会で議論を開始すること
2、専門26業務に該当するかどうかは、派遣期間の取り扱いが大きくするので派遣先、派遣元企業が分かり易い制度にするよう速やかに見直しの検討行うこと
検討の結果が出るまでの間は、期間制限違反の指導監督については、労働契約申し込みみなし制度が導入されると考えらえるので、丁寧・適切に必要な限度において実施すること
3、偽装請負の定義などを明確にすること
4、労働契約申し込みみなし制度を導入する際には、就業機会が縮小しないように周知と意見聴取をはかること
5、派遣労働者に対する労働社会保険の促進
6、優良な派遣事業者の育成の促進
7、派遣労働者の職業能力・キャリア形成を促進すること
以上になります。
5〜7については、派遣先・派遣元企業一丸となって取り組むことは明らかであり議論の余地はないと思います。
1〜4の事項について言えば、やはり「専門26業務の取り扱い」「労働契約申しこみみなし制度」「偽装請負の定義」などがポイントです。
これらの問題を今回の労働者派遣法改正案では、解決できていません。
仮に今回の労働者派遣法が改正がなされても、さらなる改善が求められます。
以下に附帯決議全文を紹介しておきます。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 登録型派遣の在り方、製造業務派遣の在り方及び特定労働者派遣事業の在り方については、本法施行後一年経過後をめどに、東日本大震災による雇用状況、デフレ・円高等の産業に与える影響及び派遣労働者の就労機会の確保等も勘案して論点を整理し、労働政策審議会での議論を開始すること。
二 いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について、派遣労働者や派遣元・派遣先企業に分かりやすい制度となるよう、速やかに見直しの検討を開始すること。検討の結論が出るまでの間、期間制限違反の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に、必要な限度においてのみ実施するよう改めること。
労働契約申込みみなし規定の適用に当たっては、事業者及び労働者に対し、期間制限違反に該当するかどうか等の助言を丁寧に行うこと。
三 いわゆる偽装請負の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に実施するよう改めること。
労働契約申込みみなし規定が適用される「偽装する意図を持っているケース」を、具体的に明確化すること。併せて、事業者及び労働者に対し、偽装請負に該当するかどうかの助言を丁寧に行うとともに、労働者派遣と請負の区分基準を更に明確化すること。
四 労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と意見聴取を徹底するよう努めること。
五 派遣労働者に対する労働・社会保険適用を一層促進するため、現行の派遣元指針及び派遣先指針に記載されている労働・社会保険適用の促進策の法定化を含む抜本強化について検討すること。
六 優良な派遣元事業主が育成されるよう、法令遵守の一層の徹底、派遣労働者の労働条件の改善等、労働者派遣事業適正運営協力員制度の活用も含めた適切な指導、助言等を行うこと。
七 派遣労働者の職業能力の開発を図るため、派遣元事業主は派遣労働者に対し教育訓練の機会を確保し、労働者派遣業界が派遣労働者の雇用の安定等に必要な職業能力開発に取り組む恒久的な仕組みを検討すること。
2012年03月21日
労働者派遣法改正の行方〜雇用契約申し込みみなし規定の問題点
今回の労働者派遣法改正でも大きく取り扱われた労働契約申し込みみなし規定について今回は解説します。
『雇用契約申し込みみなし規定は、違法派遣等、派遣先で不適切な派遣受け入れがあった場合、その時点で労働者が通告すれば派遣先から労働契約申込みがあったものとみなすというものです。』
本来、契約とは両当事者の合意によるのものですが、この規定は、不適切な派遣受け入れがあった場合、労働者が自分の雇用主は派遣先であると主張すれば、そのようになってしまうというものです。
今回のこの規定・制度の趣旨は、派遣労働者の正社員化をすすめようとするもののはずですが、この規定は派遣先企業の直接雇用をもとめるだけで、正社員にしなければならないとわではありません。
それも、賃金等の労働条件は派遣社員としての同一条件が前提です。
私は思うのですが、企業の中で正社員、パート、派遣社員等雇用形態は多様化していますが、企業は貢献度の高い社員を長期雇用でなお且つ高待遇で雇用するものです。
派遣社員であっても優秀な方は多くいます。そういった方が派遣先で正社員になることを希望する場合は派遣先企業が真摯に派遣労働者と協議することが大切であり、労働条件についても話し合いで決めるべきです。
違法派遣があったから、偽装請負があったからといってその該当労働者のぞめば派遣先の企業の直接雇用となる!!
雇用の本質と違うような気がします。
現実には、正社員より仕事ができる貢献度の高い派遣社員もいます。
今回の労働者派遣法改正に求めらるのは、懲罰的な派遣社員の直接雇用ではなく、派遣先企業の正社員採用のあり方であると思います。
つまり、正社員の雇用の流動化を高めていくことにつきます。
この問題の解決こそが、真面目で意欲の高いそして貢献度が高い人材が企業の中で活躍できるするための近道であると感じます。
ながくなりました最後まで読んでいただき感謝しています。
それでは・・・また(^v^)♪
2012年03月19日
労働者派遣法改正の行方〜ホームページに労働者派遣法改正等アップしました。
本日、当事務所のホームページに現在、国会で審議している。
労働者派遣法改正案について、原案、修正事項、修正案の 解説と今後の課題をアップしました。
http://www.yamamoto-sr-office.com/work2_7.html
是非、参考にしてください。
PDF形式になっていますので、営業ツール、派遣先企業の説明にご活用いただければ幸いです。
取り急ぎ、お知らせします。
それでは・・今日はここまで(^v^)
2012年03月18日
労働者派遣法改正の行方〜有期労働契約改正と派遣法改正について
3月16日に厚生労働省の労働政策審議会(会長 諏訪康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授)、諮問を受けていた「労働契約法の一部を改正する法律案要綱」を「おおむね妥当」として、小宮山洋子厚生労働大臣に答申しました。
この法律案要綱は、昨年12月26日同審議会の建議「有期労働契約の在り方について」に基づいたもので、2月29日に厚生労働大臣から同審議会に諮問していたものです。
さらに答申を踏まえ、厚生労働省では、開会中の通常国会に改正法案を提出する予定です。
【法律案要綱のポイント】
1.有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合(※1)は、労働者の申込みにより、無期労働契約(※2)に転換させる仕組みを導入する。
(※1) 原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しない。
(※2) 別段の定めがない限り、従前と同一の労働条件。
2.「雇止め法理」の法定化
雇止め法理(判例法理)(※)を制定法化する。
(※) 有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、
または有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合には、
解雇権濫用法理を類推して、雇止めを制限する法理。
3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないものとする。
2012年03月13日
労働者派遣法改正の行方〜衆議院厚生労働委員会で採決、今国会での成立にむけて前進
先月、労働者派遣法改正案が再び衆議院厚生労働委員会で修正され可決されました。
まだまだ不透明な部分は多いですが、今国会での成立につむけて一歩前進しています。
修正案の内容は、日雇い派遣の定義変更(2ヵ月以内から30日以内)、登録型派遣、製造派遣の原則禁止の削除等 があります。
当事務所としては、労働者派遣法改正案・原案、修正事項、修正事項と今後の課題として資料を準備しています。
ホームページの方で近々アップする予定です。
最新情報の提供として顧客企業等の説明等にご活用いただければ幸いです。
派遣会社の担当者としては、労働者派遣法の原案、修正点等を明確に把握しておくことが不可欠です。
アップしましたらすぐお知らせします。
それでは・・また(^v^)♪
ワンクリックで順位上がります。(^v^)


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