2012年03月

2012年03月30日

【速報】平成24年労働者派遣法改正案の概要

おはようございます。

3月28日に成立しました。改正労働者派遣法の概要及び主な改正点について解説します。
ホームページではより分かり易く紹介してます。

 今回の労働者派遣法改正案では、登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止は今回の改正から削除されました。また、日雇派遣については日雇派遣の定義が従来案から変更になり、適用除外業務及び提供除外対象労働者もしめされます。労働契約申し込みみなし制度や一般派遣、特定派遣の在り方・専門26業務の在り方等については検討することが附帯決議に示されています。

 

平成24年度労働者派遣法改正案の主な改正点

 

1、法律の名称の変更

今回の法改正の趣旨を踏まえ、法律の名称目的を変更し、「派遣労働者の保護」を明記します。

 

2、日雇い派遣の原則禁止

【日雇派遣の定義】  日々雇用又は30日内の期間を定めて雇用される労働者が対象

(注意)政令にて適用除外業務及び適用除外対象となる労働者を定める

 

3、グループ企業内派遣の規制

  (1)グループ企業内の8割規制

    ※規制の基準は派遣労働者数ではなく、派遣している時間が基準となります。

  (2)離職後1年以内のもの派遣の禁止

     派遣労働者を離職した職場へ1年以内に派遣することを禁止します。

     ※60歳以上の場合の例外あります。

4、派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善

  (1)無期雇用化の促進、派遣先労働者との派遣先労働者との均衡に配慮した待遇

  (2)情報公開 マージン率の公開

     マージン率とは、(派遣料金の平均−派遣労働者の賃金平均)÷派遣料金の平均

   ※細かな計算方法は厚生労働省令で定めますが、基本的には上記のとおりです。

  (3)派遣労働者に対する労働条件の明示

     待遇の説明及び派遣料金の明示が必要になります。

  (4)派遣契約の内容の明確化

  (5)無期雇用者に係る労働契約申し込み義務の特例

 

5、違法派遣や偽装請負への迅速な対応

  (1)労働契約申し込みみなし制度の創設

    ※ただし、この労働契約申し込みみなし制度については3年後。
    附帯決議に違法派遣偽装請負の定義
の明確化がもめられています。

  (2)派遣許可の欠格事由などの整備

     ・欠格事由の追加 ・許可取り消し、廃止事由の追加

6、労災保険法上の責任の強化

  (1)派遣先を対象とする労災保険法上の報告  (2)派遣先を対象とする立入検査等

  (3)派遣先を対象とする罰則の強化

 

【参考資料】 労働者派遣法改正案 附帯決議

 

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 登録型派遣の在り方、製造業務派遣の在り方及び特定労働者派遣事業の在り方については、本法施行後一年経過後をめどに、東日本大震災による雇用状況、デフレ・円高等の産業に与える影響及び派遣労働者の就労機会の確保等も勘案して論点を整理し、労働政策審議会での議論を開始すること。

 二 いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について、派遣労働者や派遣元・派遣先企業に分かりやすい制度となるよう、速やかに見直しの検討を開始すること。検討の結論が出るまでの間、期間制限違反の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に、必要な限度においてのみ実施するよう改めること。

   労働契約申込みみなし規定の適用に当たっては、事業者及び労働者に対し、期間制限違反に該当するかどうか等の助言を丁寧に行うこと。

 三 いわゆる偽装請負の指導監督については、労働契約申込みみなし制度が創設されること等も踏まえ、丁寧・適切に実施するよう改めること。

   労働契約申込みみなし規定が適用される「偽装する意図を持っているケース」を、具体的に明確化すること。併せて、事業者及び労働者に対し、偽装請負に該当するかどうかの助言を丁寧に行うとともに、労働者派遣と請負の区分基準を更に明確化すること。

 四 労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と意見聴取を徹底するよう努めること。

 五 派遣労働者に対する労働・社会保険適用を一層促進するため、現行の派遣元指針及び派遣先指針に記載されている労働・社会保険適用の促進策の法定化を含む抜本強化について検討すること。

 六 優良な派遣元事業主が育成されるよう、法令遵守の一層の徹底、派遣労働者の労働条件の改善等、労働者派遣事業適正運営協力員制度の活用も含めた適切な指導、助言等を行うこと。

 七 派遣労働者の職業能力の開発を図るため、派遣元事業主は派遣労働者に対し教育訓練の機会を確保し、労働者派遣業界が派遣労働者の雇用の安定等に必要な職業能力開発に取り組む恒久的な仕組みを検討すること。

 

 

 



2012年03月29日

労働者派遣法改正の行方〜平成24年改正労働者派遣法案が成立。その概要は・・・

みなさん。こんにちは。

自民党案による労働者派遣法改正案は廃案、民主党案でも閣議決定されてから継続審議、そして昨年末に民主、自民、公明による修正合意でやっと成立にこぎつけました。

足掛け3年〜4年ようやく、改正労働者派遣法が成立しました。

この「労働者派遣法改正の行方」というサブタイトルも一区切りというところです。

今回の労働者派遣法改正はその成立の過程が複雑であったため、修正が多くありました。

そのため、改正案全体の把握・ポイントが分かりづらいものとなっています。

メディアで登録型派遣・製造派遣の禁止の削除等が大きく報道されていますが、その以外にも実務に携わる方にとっては色々といろいろと影響が出てきます。

法律の施行は、法案の中に6ヵ月を経過した日とありますので、今年の10月位の施行になると思います。

このブログでは、今後、平成24年度改正労働者派遣法への対応について書いていきます。

特に、日雇い派遣については政令で適用除外業務および適用除外派遣労働者を定めることになっていますので、注意が必要です。

今後も、このブログ及び当事務所のホームページにおいて、平成24年度改正労働者派遣法への対応や派遣先企業への販促・営業資料の提供に努めてまいりますので、引き続きご愛読ください。


気持ちもあらたに、平成24年改正労働者派遣法への対応について書いてきます。

今日はここまで(^v^)♪










2012年03月28日

労働者派遣法改正の行方〜【速報】いよいよ労働者派遣法改正案が成立します。

みなさん。こんにちは。

昨日、参議院厚生労働員会で改正労働者派遣法改正案が可決されました。

本日、3月28日の参議院本会議でも可決される見込みです。

民主党政権成立前、つまり自民党時代からこの労働者派遣法の改正は審議されてしました。

自民党案は、廃案となり、その後、民主党政権下で労働者派遣法改正の審議がおこなわれてきました。

登録型派遣、製造派遣等の原則禁止を盛り込んだ、労働者派遣法改正案(原案)は自民党等の反対にありなかなか審議が進まなかったのです。

昨年、民主党が自民党・公明党等との合意が成立し、今国会での成立にむけて前進した次第です。

ただ、今回の労働者派遣法改正案(修正案)については、政令で定める部分も多くのこり、また今回の労働者派遣法改正案(修正案)の附帯決議についても十分に注意を図る必要があります。

くわしい内容や今後の課題については、順次このブログ及びホームページの方で書いていきます。

それでは・・・今日はここまで(^v^)♪














2012年03月27日

労働者派遣法改正の行方〜労働者派遣法改正が成立したらいつ施行される?

みんさん。こんにちは。


ここ数年、労働者派遣法改正については、自民党政権時代から審議されています。

いつになったら改正労働者派遣法が成立し、施行されるか考えました。


今国会は、2012年1月24日に召集され、6月21日が会期末とされています。

今国会中に労働者派遣法改正案が成立されれば、公布から6ヵ月以内の施行となるので、来年早々の施行もありうるということになります。


「専門26業務の取り扱い」「労働契約申し込みみなし」今後もさらなる改正が必要とは思うが、一つづつ前進していくしかないように思います。

ただ、皆さんにしって欲しいこのは、今回の労働者派改正案(修正案)は自民・公明・民主が合意しているので成立の確率は以前とくらべつ高くなっているということで、早ければ来年早々にも改正労働者派遣法案が施行されます。

しっかり準備はしておきましょう!!

それでは・・また(^v^)









2012年03月26日

労働者派遣法改正の行方〜労働者派遣法改正案附帯決議と経団連要望

みなさん。こんにちは。

前回は、労働者派遣法改正案の附帯決議について書きました。

今回はその附帯決議の背景にちょっと触れてみたいと思います。

今回の決議の背景には、経団連の2011年経団連規制改革要望が反映されている節があります。

雇用・労働分野では以下のようになっています。
 
  1. (1) 企画業務型裁量労働制に関する対象業務・労働者の拡大
  2. (2) 企画業務型裁量労働制に関する手続きの見直し・簡素化
  3. (3) 事務系労働者の働き方に適した労働時間制度の創設
  4. (4) 週休2日制の場合のフレックスタイム制における法定労働時間枠の変更
  5. (5) 専門26業務における「付随的業務」の範囲等の見直し
  6. (6) 自由化業務における労働者派遣の受入期間制限の緩和
  7. (7) 常用雇用の派遣労働者に対する自由化業務における期間制限等の対象からの除外
  8. (8) 医療関連業務における労働者派遣の拡大
  9. (9) 「専門26業務に関する疑義応答集」の改善
  10. (10) 『「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集』の改善
  11. (11) 化学物質規制の統合
  12. (12) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用の緩和

  13. (詳しくはこちらをご覧ください)
    http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/088/09.pdf


     
    12項目のうち5項目(5)〜(10)は派遣請負事業関係です。



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門226業務の疑義応答集や指導監督の在り方、派遣受入期間いわゆる抵触日の見直しなどがもとめられています。

げ 現場をしっているものとしては、いずれも早急に改善してもらいたい事項です。労働者派遣法改正に直接影響があるかどうかは不透明ですが経済界の意向を知っておくことは大事なことだと思います。

それでは・・また(^v^)♪